登校拒否になる小学生の心理は?親ができる対応と、家での過ごし方とは?

「学校に行きたくない」
この言葉、学校通いをする子どもを持つ親にとって一番ドキッとする言葉かもしれません。
えっ?まさかウチの子が登校拒否⁈
驚きや心配や怒りなどあらゆる感情が親にも突如訪れます。
ウチの子に限ってなんで•••。
でも一番大切にしないといけないのは子供の心。勇気を持って親に胸の内を明かしてくれた子供からのSOSにしっかりと向き合い冷静に対処できるよう、子供の心理状態を知ることが大切です。
今回の記事は、二児の母であるライター自身の経験も加えながら登校拒否になる子供の心理について、そして親ができる対処法についてご紹介します。
登校拒否になる小学生の心理とは?主な原因
「登校拒否」とひと言で言っても内容は様々です。どんな心理で学校に行くことを拒んでいるのでしょうか。主な原因と言われているものを挙げてみました。
②友達・先生との人間関係が怖い
まず最大の原因として挙げられるのは友達・先生との人間関係です。友達に嫌なことをされた、言われた、先生に強く叱られた、など。
我が子も友達との関係が原因で「学校に行きたくない」と言い出しました。
①友達と比べて、自分に自信が持てない
繊細な性格の子は、友達と自分を比較して「自分ができない」ということに強く固執してしまうかもしれません。それを相手の子や周りの子にからかわれたりしたのかもしれません。
逆に負けず嫌いの性格の子も、友達より自分ができなかったことが悔しくて、学校に行きたくないと思ってしまうのかもしれません。
③学校や家族と合わず、居心地が悪い
登校拒否は学校生活だけでなく家庭にも原因があることもあります。
学校にも家庭にも居場所がなく リラックスできない子は 家に籠ることもできず、学校に行くふりをしてどこか別の場所で過ごしているかもしれません。
危険に巻きこまれてしまう可能性も高く、より一層注意が必要です。
⑤勉強がわからない・ついていけない
友達や先生との関係が良好なのに不登校になってしまう子は、学習面が問題かもしれません。
授業内容に少しずつついていけなくなり、分からないから授業に集中できず、うわの空に…。あげくは学校に通うことが苦痛になってしまうことになってしまいます。
⑥自分の将来・未来に不安を持っている
最近の小学校で行われる行事の一つとして、小学4年生、いわゆる10歳になる学年で「二分の一成人式」というものがあります。
親御さん参加型で行われることが多く、一人一人が将来の夢を発表したり親に感謝の言葉を贈ったりします。
でも、将来の夢と言われてはっきりと述べることができる子もいれば、まだピンとこない子もいます。
「友達はしっかりとした将来の夢があるけれど、自分にはない…」ということに直面した時、「自分は将来何になれるのだろう…?」と不安を持ってしまうことも。
⑦原因がわからずに混乱している
子どもの感情は複雑です。理由をはっきりと言うことはできないけれど学校に行きたくない、という感情に苛まれている場合もあります。親にうまく説明することができず、苛立ったり、泣いてしまったり、体調を崩してしまうケースも…。
⑧学校に行きたくないわけではない子供の心理
学校に行きたくない子の心は大変複雑です。ですが、学校には問題がなく登校拒否を訴える子供においては、もしかしたら親子の関わり方に問題があって、「親に対して自分にもっと関心を持ってほしい」、「構って欲しい」というサインかもしれません。
子供の不登校は「親のせい」!?
不登校には様々な理由がありますが、親の存在が大きく関わっていることも大いにあります。
また、親が原因でなかったとしても子供が学校に行きづらいという現実に直面した時の親の接し方によって、余計に子供の心を傷つけてしまうことがあります。
子供にとって、一番の理解者であり味方であるはずの親が、子供を縛り付けていることもあるのです。
登校拒否の小学生の親に見られる共通点
登校拒否になってしまう子供の親にはいくつか共通点があると言われています。その共通点はどのようなものなのでしょうか。
特徴①教育に熱心である
どの親だって我が子には勉強を頑張って欲しいと思うのは当然です。
ただ、その熱意も度が過ぎると子供にとってプレッシャーになることがあります。小学校は勉強ばかりを学ぶ場所ではありません。子供が色々なことを学校生活を通じて学んでいることをまず温かく見守る姿勢が大切です。
特徴②高学歴 or 学歴にコンプレックスがある
親が高学歴だったり、その逆で学業コンプレックスを持っている場合、自分と同じ学力を求めたり、または果たせなかった希望を子供に押し付けてしまうことがあります。
学歴至上主義の親は、将来レベルの高い大学に受からないといけない、などと子供を追い込んでしまいます。
特徴③子供を親自身と同一視している
②と似ていますが、子供の成長を自分自身と同一視してしまい、親の意見や思考を押し付けがちな場合は気をつけましょう。親である自分ができることが、我が子にはできないのが許せないと感じてしまうのでしょうか。これは、子供の個性や考えを無視していることに繋がります。そして子供の自由を奪う行為なので注意が必要です。
特徴④他人の目を気にしすぎてしまっている
他人から見て自分の子がどう映っているかを過度に気にして、常識的でないといけない、周りに迷惑をかけてはいけないという気持ちが人一倍働いている親御さんは、子供を常識の型にはめ込もうとしてしまいがちなので、注意が必要です。
特徴⑤自分と子供との距離感をうまく掴めない(過干渉・放置)
親が子供にかまい過ぎると子供は息が詰まります。その逆で、放ったらかし過ぎると子供は不安に感じ自分の存在意義を見失ってしまいます。
子供との距離感、バランスはとっても大切です。
登校拒否になった小学生の子供のために、親ができる対応
自分の子が学校に行きたくないと言い出した時、大切なのは親の「初動」です。
「まさかうちの子に限って」と思ったとしても、そこはグッと堪えて落ち着いて、子供の話を聞いてあげましょう。
①まずはゆっくり休ませて、安心させてあげる
子供が勇気を振り絞って、親に「学校に行きたくない」と打ち明けてくれたのです。
学校は一旦お休みにして、ゆっくりと子供の心と体を休ませてあげましょう。
そうすることで子供の複雑な感情は少しずつ和らいで色々と話をしてくれるようになるかもしれません。
②勉強は焦らず、一旦お休みしても良い
学校を休みがちになると気になるのが、「授業に遅れをとってしまう」という点でしょう。
でも、だからといって無理に学校に行かそうとするのは禁物です。学習の遅れは後からでもフォローできます。
今フォローしなければならないのは子供の心理状態。勉強のことは一旦置いて、学校を休むことを肯定してあげましょう。
③友達と遊びたがったら、遊ばせていい
親の中では、「学校を休んだんだから、放課後の時間に友達と遊ぶなんて許しません!」という気持ちが働くかもしれません。
でも、学校以外で我が子にとって心を安らげてくれる場所があるのなら、バンザイです。気の合う友達と放課後遊ぶと良い気分転換になります。制限をかけずに自由に遊ばせてあげましょう。
④良好な親子関係を築く
学校に行きづらくなってしまった子をまずサポートするのは、親や家族です。
家庭でも居心地が悪くなってしまわないように、温かい心で子供と接することが何よりも大切です。
⑤頭ごなしに叱るのではなく、子供の話を聞いてあげる
「学校に行きたくない」という気持ちを子供が表現する時、その文字のごとく親に話す子もいれば、「お腹が痛い」「頭痛がする」など体の不調を訴える子もいます。
子供からのアクションに直面した時に、親である私たちは、子供の気持ちを疑ってはいけません。
もしそれが仮病で本当に体調を崩しているわけではなくても、子供の訴えをそのまま聞いてあげましょう。
「ただ学校をサボりたいだけなんじゃないの?」など子供の話を否定するような発言は、かえって子供が親を信頼して話をする機会を奪ってしまいます。
⑥子どもが感じている不安な心を理解し、共感する
子供が不安な気持ちを話してくれた時には、「そっかぁ。嫌な気持ちだったね」と声をかけてあげると子供はホッとします。
「悲しかったね」「しんどかったね」と、親が子の気持ちに寄り添ってあげることで子供はすごく安心できるので、優しい言葉を是非かけてあげてください。
⑦子どもの意思・意見を尊重する姿勢になる
親という立場上、つい子供の話を聞いた上で「こうしなさい」と今後の行動を指示したくなります。でもそれでは高圧的になってしまい、良くありません。あくまで子供の考えていることを尊重することが大切です。
「いつでもあなたの味方だよ」、という親の気持ちを表しましょう。
⑧登校を強制せず、休んでもいい事を伝える
学校を休むということに抵抗を感じてしまいますが、そこは気持ちの切り替えが大事です。
潔く学校は休んで、その分子供のしたいことを存分ににさせてあげるのも手です。一日中テレビを観てもいいし、ゴロゴロと過ごしてもいい。
まずは子供がリラックスできる環境を作ってあげましょう。こういった時期は、勉強を強要する必要はありません。
学校・勉強への対応を少しづつ、焦らずステップアップする
不登校の原因や子供の様子は早めに学校側に話をしましょう。遅れてしまった学習のフォローや心のケアは家庭でだけで解決しようとせず、周りの人の手を借りることもおすすめです。
まずは学校に相談を。保健室をうまく活用して
不登校には色々な理由があると思いますが、学校に早めに事情を話して対応をお願いしましょう。補助の先生がついてくれたり、友達とトラブルにならないように席を離してくれたり、色々と配慮してもらえることもあります。また、教室に入ることを拒んでしまう場合は保健室も利用しましょう。
サポート団体を利用する
不登校の子供たちが学校の代わりに過ごす場所にフリースクールというものがあります。様々な事情を抱えた子供たちを受け入れ、学びの場を提供しています。
親にとっても仕事を抱えていたり、ずっと子供と一緒に過ごすことが負担になってしまうこともあるので、ぜひ周りの力も借りましょう。
転校を検討する
いじめに遭っていたり、先生との関係がどうしても改善できない時は、転校を検討してもいいでしょう。大ごとだと感じるかもしれませんが、転校先で明るく元気に通うことができる場合もあって、「今まで悩んでいたことは何だったの?」と思うかもしれません。
公立の学校では地域によってそこで生活している人の雰囲気や環境も異なります。学区外へ引越しをした方が手続きはスムーズかもしれませんが、もちろん学校と交渉をして、引っ越しをせずに転校することもできます。
親子で作る不登校の小学生の「家での過ごし方」とは?
学校に通わない時間を家庭でどう過ごすか。毎日ダラダラと過ごす我が子の姿に、親として複雑な思いを抱いてしまうこともあるかもしれません。
私の場合も、少ししんどいぐらいで学校を休ませてしまうと「サボり癖」というものがついてしまうのではないだろうかと心配したこともあります。
嫌だと感じることがあったらすぐに「休めばいい(やめればいい、逃げればいい)」という発想が根付いてしまうのではないかとすごく葛藤しました。
それでもやっぱり忍耐を持って接しなければいけないと思っています。
色々と対処した上で、子供が自発的に「学校に行きたい」、「行けそうだ」と感じるまで待つことも大切なのです。
登校を焦らない。急がせない。
あまりに学校を休み過ぎると余計に登校しにくくなるかもしれない、と考えてしまいますよね。
でも子供に登校を急かしてはいけません。
「仲の良い友達に会いたい」と思ったり、「学校行事に参加したい」と思ったり、「勉強がしたい」、と思っているのであれば、タイミングを見て行動に出ましょう。学校とも相談しながら、最初は午前中だけ、午後からだけと工夫しながら徐々に慣れていけるといいですね。
子供だって「できることなら学校に行きたい」と思っています。親は敢えて、まだ休んでいてもいいんだよ、というスタンスで接する方が子供にとって安心かもしれません。
家庭を「心から安心できる所」だと思える場所にする
子供が学校に行けない時は家庭内でもできるだけ学校の話題を避けましょう。学校や友達のことを思い出してしまうと、嫌な気持ちが甦り辛くなるし、学校に行けない自分を責めたり自信を失ったりします。
家庭では、子供が好きな遊びを存分にさせてあげたり、お菓子作りなど親子で一緒に取り組めることがあると達成感にも繋がりますし、親子の絆も深まります。
親御さんも、ストレスを溜めないでリフレッシュすることが大切
大切な我が子が辛い思いをしているのは、親にとっても辛いことです。我が子にも悪い部分があるのなら正さなければと感じるかもしれません。
でも自分の子を誰よりも信じてあげることが一番で、子供の体調と心のケアに全力を注げたらいいなと思います。もちろん子どもにも強くなって欲しいとも願うので、間違っている所がある場合は、頭ごなしに叱るのではなく、落ち着いて説明ができるといいですね。
親である私たちも仕事をしていたり、子供に付きっきりになってあげられないこともあります。それがストレスとなってしまうこともあるでしょう。子供もそうですが、親の私たちもストレスをできるだけ溜め込まずに、柔軟な思考で過ごすことが大切だと思います。
家庭内での情報共有はもちろんですが、家族以外の人、例えば学校とは関係のないママ友などに話を聞いてもらうのもいいでしょう。
悩み相談ダイヤルなどを活用して内に溜まった思いをバーッと吐き出してもいいですね。
親である私たちがしかめっ面で毎日を過ごすのではなく、いつも笑顔でいられることが子供にとっては何よりも安心なことだと思います。
登校拒否の小学生を持つ親におすすめの書籍
「いじめられている君へ いじめている君へ いじめを見ている君へ」
完全版 いじめられている君へ
内容:この本は今から10年前に出版されたものですが、当時いじめが原因で自らの命を絶ってしまった中学生のニュースが連日報道されていて、私自身胸を痛めていて読んだ本です。作家やタレント、スポーツ選手など著名な方々がタイトルにある人に向けて書いたメッセージが綴られています。
「いじめ」に直面した時、どういう行動を取ったらいいか、心の持ちようをどのようにすればいいか、などが書かれていて大変共感できた一冊です。
まとめ
子供が登校拒否になる原因は、友達や先生との人間関係、親子関係、学習面など色々あります。
もしも我が子が学校に行くことに躊躇いを感じ始めたら、まずはじっくりと「どうして学校に行きたくないか」を優しく聞いてあげる。
頭ごなしに、子供を叱りつけて無理に学校に行かせようとすることは禁物。
子供の話に耳を傾け、子供の感情に共感する。
「嫌だったね」「悲しかったね」
学校にはきちんと相談をする。友達同士のトラブルであれば学校は両者の話を聞いた上でこちらにも話をしてくれるので、事実確認はきちんとしましょう。
相手の子の存在により学校に行けなくなるのであれば、先生方に相談を。また、進級時のクラス替え編成で、次年度は(それ以降も)同じクラスにならないよう学校へ配慮をお願いするのも一つの手段。
勉強においては、遅れを心配し過ぎなくても大丈夫です。少しずつ宿題に取り組んだり、フリースクール等を利用して学習に慣れ親しむ工夫をしましょう。
家庭内では子供がリラックスして過ごせる環境づくりを心がけましょう。
最初は難しいかもしれませんが、過干渉でもなく放置でもない、ちょうどいい距離感が少しずつわかってくると思います。
親も思い詰めずに適度にストレス発散を。親の笑顔が子供にとって何よりの栄養です。
大切な子供が辛い思いをしているのは親も辛いもの。自分の子が登校拒否になったという事実を受け入れたくない気持ちもあるでしょう。でも一番頑張っているのは子供です。親は一番の理解者となって温かく寄り添ってあげられるようにしたいですね。
・・・【コラム】・・・
それは娘が小学2年生の頃でした。とある日の夕食時、娘が突然しくしくと泣き出しました。理由を尋ねると、友達に強引に誘われた用事にうまく断れずに「うん」と返事をしてしまったというのです。課外活動であるスポーツクラブに一緒に入らないかと執拗に誘われていて、他の習い事もあるしと断ったのにも関わらず、相手の子が強引で「体験だけでも来たらいいやん」と既に体験参加に申し込んだと言ってきたそうです。娘はそのクラブに入る気も一切なかったので体験すら本当に行きたくなかったのに、その子の勢いに負けてきっぱりと断ることができなかったと嘆いていたのです。
話を聞いて、その友達が言っている内容は嘘だと判明し、気にしなくていいから大丈夫だよ、と言って一旦は落ち着いたと思っていたのですが、翌朝学校へ行く時間になると「お腹が痛い。学校に行きたくない」と泣き始めました。昨日の出来事をやはり引きずっており、その子に学校で会うのを拒んでいたのです。
本文にも書きましたが、まさに「うちの子がまさか登校拒否!?」です。
それまでに学校はもちろん幼稚園時代だって、不登校を訴えたことなど一度もなくお友達とトラブルを起こしたこともない、常に元気で朗らかな娘が学校に行きたくないと言って泣いている。。。
私は娘を追い詰めたその友達のことをとても憎らしく思いました。
その日は学校を休ませ家で過ごすことにしました。と言っても、私は仕事に行かなければならず、隣に住んでいる義父母に託したのですが。。
そんな日が数日続きました。朝イチからは登校できず、3時間目から行くために車で送ったり、ひとまず保健室で過ごさせて頂くようにお願いしたり。朝早く仕事に行かなければならなくて娘より先に家を出た日、途中で義母から電話がかかってきて「今日も学校に行きたくないと言っている」と。
急遽仕事を別の人に代わってもらって自宅に戻ったこともありました。
私の中で本当にたくさんの感情が入り混じっていました。
こんなことぐらいで学校に行きたくないだなんて、ちょっと弱過ぎるのではないか。とか、サボり癖がついてしまったらどうしよう。とか。でも無理に学校に行かせるのは得策ではない。とか。。
まだ弱冠小学2年生。大人なら適当にうまく断れても、そうはいかないくらいに娘は純粋で素直だったのです。
担任の先生にも相談しました。
すると先生は休み時間中も気を配ってくれて、その子が娘に近づこうとすると、さりげなくブロックしてその子の注意をよそに向けてくれるなど配慮してくれました。本当にありがたかったです。学年末に行われる個別懇談では、次年度から卒業するまで、クラス替えではその子と一緒にならないようにして欲しい、とお願いしました。毎年毎年懇談の度に念押しをしました。こんなお願いをするのはモンスターペアレンツさながらだと思いましたが、我が子を守るために私も強く出ないといけなかったのです。
お願いはきちんと聞き入れられ、6年生まで一度もその子とクラスが一緒になることはありませんでした。学校側も、できるだけ要望に応える方が、どちらの子も平穏に学校生活が送られると思ってくれていたのかもしれません。敢えてトラブルが起きそうな子たちを一緒のクラスにする必要はない、という判断だったのかもしれません。
幼稚園時代のママ友にも話を聞いてもらいました。小学校高学年では女子同士のトラブルは増えてくるけれど2年生ではちょっと早いね、という意見もありました。本当にまだまだ幼い時期だけれど、同じ歳でも知恵の働く子がいるなあと嫌々ながら感心したものです。
そして、娘が少しずつ元気を取り戻してきた頃、あんまり長く学校を休ませるのもかえって復帰しにくくなるだろうし、そろそろ学校行けるかな、というタイミングで家庭で話し合いました。その子に会いたくないからと言ってなぜ娘が大好きな学校を休まないといけないのか、娘ばかりが我慢をしなければならないのはおかしいと。家族で話す内に、娘の心も少しずつ強くなっていきました。先生方のサポートもあり、その子とは距離を置いて過ごすことができ、何か言われても聞き流す力を身につけていったようです。娘はその後たくさんの友達に恵まれ、トラブルもなく小学校を卒業しました。
卒業式に娘からもらった親宛ての手紙の中で、当時のことが触れられていて「辛かった時に助けてくれてありがとう」と書かれてありました。そして、あの経験を乗り越えられたことが大きな自信につながっているとも。
あの日、即座に学校を休ませてあげて本当に良かったと思っています。
色々と葛藤はありましたが「じゃあ今日はお家にいよっか」と言ってあげられて。
娘の登校拒否経験はまだまだ軽めの症状だったと思いますが、それでも辛く悲しい出来事をたった7歳で経験しなければならなかったのです。
今娘は中学生になり、新しいお友達もたくさんできて毎日楽しく学校に通っています。あの時、親である私たちが娘を追い込むようなアプローチをしていたら、もしかしたら今のような娘の姿は見られなかったかもしれません。